虹のしおり

最近はラブライブ!を起点とした舞台やお台場について扱うブログです。各種コラボの記録を残したり。サークル「さむらい工房」の告知ページを兼ねてます。

空気をまたぐ「ゆりかもめ」と歩道橋整備計画の話

臨海副都心をぐるりと抜けていくゆりかもめ。 乗っていると気付きませんが、何もないのに謎にアップダウンしていく場所があります。

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今回は臨海副都心の歴史が垣間見える謎のアップダウンの話です。

ここはどこ?

この傾斜は東京国際クルーズターミナル駅テレコムセンター駅の間にあります。前面展望からも良く分かり、湾岸警察署とTHE SOHO Odaibaの辺りが頂点になっています。

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スカイウェイ設置の計画

とりわけ現在「お台場」と呼ばれるエリアは道路と歩道を上下に分けて設計されており、ゆりかもめはウエストプロムナードやテレポートブリッジといった歩道(橋)を跨ぐように走って行きます。

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そのなかでもお台場海浜公園駅を出たところにあるテレポートブリッジはスカイウェイとも呼ばれ、当時の開発資料などを当たると同じ名前の橋が少なくとも3本敷設される様子が見て取れます。

実際にその名で敷設されたのは1本だけでしたが、いずれも世界都市博覧会会場やシンボルプロムナード公園との動線として考えられていたようです。現在も橋の銘板には「スカイウェイ」の名を冠したものも設置されています。

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青海駅からセンタープロムナードを結ぶスカイウェイ

残る2本のうち、1本は青海駅からセンタープロムナードを結ぶものでした。これは「東京臨海副都心基盤整備工事誌」に計画図が載っています。

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実際には建設されておらず、パレットタウン建設に伴い奇しくも青海駅とセンタープロムナードを結ぶ歩道がテレポートブリッジと直線で結ばれる位置に出来ました。そういう意味では、間接的に実現したとも言えるのかもしれません。

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そのパレットタウンはいよいよ再開発が始まるため、歩道もどうなるか気になるところです。工事中は東京テレポート駅から青海駅へのアクセスが非常に悪くなりそうですし、乗降客数も大幅に減るのではないかと考えられます…。

エストプロムナードから青海南ふ頭公園側を結ぶスカイウェイ

残る1本がこの記事の本題となるスカイウェイです。開園前のシンボルプロムナード公園の計画資料などには青海客船ターミナル付近へ伸びるスカイウェイが記載されています。

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臨海副都心開発事業化計画』(1989年)には始動期(つまりテレポートブリッジと同じ時期)に整備する旨が記載されています。

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ちなみに現在でこそお台場の水上バスと言えばお台場海浜公園ですが、当時水上バスでのアクセスにおいて青海客船ターミナルが重視されていた記載も見受けられます。
ゆりかもめの建設が始まったのも1989年であり、現状空気をまたいでいるだけのアップダウンはスカイウェイ敷設を見越して設けられたと考えられます。ゆりかもめ建設の資料を見つけられていないので状況証拠的な感じではありますが...。
なお、1996年に刊行された「東京臨海副都心基盤整備工事誌」では記載がなくなり、いつしか話が消えたような感じがあります。

終わりに

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現在ゆりかもめが通る道路の両側にはTHE SOHO Odaibaと日本科学未来館が建てられ、今後このアップダウンに橋が通ることはないように思います。 東京国際クルーズターミナルが本格的に稼働したらダイバーシティ東京テレポート駅側へのアクセスを考える必要もありそうな感じはします。周辺の駐車場区画に進出する事業者が現れれば、青海駅から計画されたスカイウェイのようなものが東京国際クルーズターミナル駅からシンボルプロムナード公園へ伸びたりするのでしょうか。
ともかくも、何気ないところで東京臨海副都心の歴史を感じました。

紹介:お台場オブジェマップ

お台場・有明 (東京臨海副都心)に点在するオブジェや珍しいものを紹介するホームページを作りました。このアップダウンも青海地区のページで掲載しています。よろしければご覧下さい。

www.odaiba-objet.tokyo