佐世保を巡った記録 (2015年)
「艦これ」にハマった延長線で、2015年11月に佐世保を観光してきた。
その時の記録を、観光に便利な情報を少し載せつつだらだらと書き留めたり。
原稿を誤削除したものをサルベージした結果、こんなタイミングでの掲載です。
往路
観光を決めたきっかけが春秋航空佐賀航空便のセールだったため、東京と佐世保の行き来に佐賀空港を使う珍しいルートになった。
今回は座席指定込みで往路1,517円、復路4,180円。
春秋航空 (成田空港→佐賀空港→佐賀駅バスセンター)
ここからリムジンバスとJR佐世保線を使って佐世保駅を目指します。
14:00発のリムジンバスに搭乗し、14:35に佐賀駅バスセンターへ到着。
定時到着だと飛行機の到着からバスの出発まで15分しか余裕がないが、そこはきちんと待っていてくれるらしい。
JR佐世保線 (佐賀駅→佐世保駅)
佐賀駅から佐世保線で約90分。途中で武雄や有田といった有名な場所を通るので眺めは飽きない。
私的なポイント
佐賀駅で購入した駅弁を食べながら、外の風景を眺めていると良い感じ。 ところどころ野焼きの煙が車内に入ってくるのも地方に来た心地がした。
乗った車両のつり革が珍しい配置だった。
いかにも観光地な呉と比べて、佐世保駅の第一印象は「普通の港町」で非常に大人しい町だった。
ひとまず、日が暮れるには時間があるので到着早々観光することにした。
この週末は雨が確定していたため、晴れているうちに佐世保の町を一望できる弓張岳展望台へ向かうことに。
弓張岳展望台
佐世保駅から夕日の佐世保の町を眺めるべく弓張岳展望台へ向かう。
- ながさき旅ネット 弓張岳展望台
- 概要が載っている。現地へ行くと猫がたくさんいて驚く。
- 佐世保観光情報センター - じゃらんnet:
- 観光先に迷ったら佐世保駅内のここで殆どのことを教えてくれる。
- バス時刻表 - 佐世保市交通局 :
- 弓張岳展望台へ行くバスの時刻表。便数が少なすぎて片道で使うのがやっと。
- 無料シャトルバス - 弓張の丘ホテル:
- 観光情報センターの方に教えてもらったアクセス。乗せてもらったお礼にコーヒーを飲んでいこう。
私的なポイント
- 弓張岳展望台へはホテルの無料シャトルバスを使わせてもらうのが一番手軽。(ただし乗せてもらう代わりにホテルでコーヒーなどを飲んでいこう)
- 展望台で夕陽を眺め、更にホテルで食事かコーヒーを嗜みつつ佐世保の夜景を眺めると至福
- 展望台には人を怖がらない猫が一杯いて楽しい
弓張岳展望台へ行くハードルが高い。
佐世保市営バスは便数が少ないために復路を考えると迂闊に利用できず、単身でタクシーを使うのも費用的に気が引ける。
そんな訳で何か良い方法がないか佐世保駅構内にある観光情報センターへ立ち寄った。
観光情報センターの人からは、弓張の丘ホテルが運行する無料シャトルバスを利用していいと言われた。 もちろん本来はホテル利用客用で善意によるものなので、観光した後にホテルで食事かカフェの利用をしてほしいとのことだった。
結果的に展望台からは夕日を眺められ、コーヒーのために寄ったホテルのレストランからは絶景の夜空が眺められ、コーヒー1杯でスミマセンな満足度だった。 そんなわけで佐世保駅前からシャトルバスで弓張の丘ホテルまで乗せてもらい、そこからしばらく歩く。
望遠鏡や高倍率のデジタルカメラなら係留中の自衛隊・米軍の艦艇が良く見える。
「あまくさ」などが係留されている場所が艦艇一般公開で入れる場所で、そこからは「こんごう」らも近くで眺められる。
日の入りを眺めて佐世保での最初のミッションを完遂。
ちなみに、弓張岳展望台や翌日行く九十九島パールシーリゾートには人になれた野良猫がちらほらいる。
日の入りを見届け、弓張の丘ホテルでコーヒーを飲みながら夜景を楽しんだ。
雰囲気が良いために写真は撮らなかったが、「コーヒー一杯でこんな夜景眺めちゃってすみません...」となる綺麗さだった。
その後は晩ご飯のために再びリムジンバスで佐世保駅前まで戻った。
ステーキハウス「らんぷ」 (晩飯)
晩飯は知人に教えてもらったステーキハウス「らんぷ」へ。
ビール片手に堪能。柔らかく溶けるような牛肉がレモンと合わさると、肉が濃厚でも飽きが来ない。ステーキには塩こしょうか醤油な人間に新しい選択肢を与えてくれた夜でした。
また、お店の人が佐世保の町の雰囲気を教えてくれてとても楽しい。
食べ終わった辺りで疲れが出てきたので、ホテルへチェックインすることにした。
ビジネスホテル東京
駅周辺の手頃なホテルが全然取れなかったため、かろうじて取れたホテルは駅から徒歩で25分も掛かる。
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- 楽天トラベルの予約ページ
21:00頃にチェックインして、気付けば寝落ち。
11月7日(土)
本格的な観光のスタート。
佐世保朝市とお食事処「匠」(朝食)
2日目は5:00起床。佐世保駅前の朝市へ向かった。
(これでも1時間以上寝坊してのっけから失敗した)
- 佐世保朝市 名物参加できる「せり市」好評開催中!
- 日曜日はやっていないので要注意
到着した頃にはすっかり山場を過ぎた感が漂っていた。
市場では海産物から果物に既製品のおやつまで多岐に安く購入できる。
ちなみに割と値引きしてくれる。
魚の干物などを購入して匂い防止のために厳重に梱包してもらい、佐世保駅のクロネコヤマトのサービスカウンターが開いたらクール便で家へ送った。
買い物をした後は場内のお食事処「匠」で鮮魚を堪能。
- 匠 - 佐世保中央
- 朝食を摂ったお店
食事の後は海軍墓地のある東公園へ向かった。
佐世保東山海軍墓地 東公園
食事の後は東公園へ。
町並みを眺めながら歩いて向かったが、市バスで行く方が楽。
東公園周辺は少し路地に入ると入り組んでる上に急な階段が続く地形で、迷路のようだった。Googleマップが率先して迷路を最短ルートとして提示してくるので要注意。
- 社団法人 佐世保東山海軍墓地保存会 佐世保東山海軍墓地
- 公式サイト。普段行われていることが分かる。
- 佐世保東山海軍墓地 東公園
- 佐世保観光センターによる紹介。終日開いているが休憩所は日中しかやっていない
- 東公園 (佐世保市) - Wikipedia
- Wikipediaでの説明
公園自体は昼夜問わず開いているが、休憩所は9時以降しかやっていないらしい。
土曜日に訪れたため、奥へ行くと地元の子供達が運動している姿も見えた。
軍艦に興味を持ったきっかけがエンターテイメント(艦これ)だったので、ゲームで覚えた軍艦の名が書かれた慰霊碑を前にすると、その慰霊碑に至るまでの船と船員の歴史を知れば知るほどやるせない。
当たり前ながら、公園にいるときの頭には艦これは殆ど出てこないのよね。
艦娘は実在しないがその起源(足跡)はここに実在するという意味で、繋がらないものが繋がる一幕のように感じられたのは良かった。
ひとしきり見て回った後は、入り組んだ裏路地を歩きながら佐世保駅へ戻った。
九十九島クルージング
佐世保駅から佐世保市営バスで九十九島パールシーリゾートへ。
多数の島が眺められるクルージングにいった。
※特に艦これと関係ない
- 九十九島パールシーリゾート 九十九島クルージングメニュー
- 公式サイト。土日は船の増便情報などが随時確認できる
- 九十九島パールシーリゾート
- 長崎県による観光情報。
- 九十九島 (西海国立公園)
- Wikipediaによる説明
- 九十九島パールシーリゾートへのアクセス-佐世保市営バス時刻表:
- 佐世保駅からバスでの行き方
- 西海国立公園九十九島の紹介:
- 島の紹介
バスの便数がさほど多くないため、早めに行きたければタクシーを使うという奥の手もある模様。
リゾートいうだけあって、牡蠣といった特産品を食べられる飲食店が揃っている。
ただ、ランチタイムは混雑するので店内で食べるなら早めに行くといった工夫をした方が良いだろう。
自分は佐世保駅のパン屋でサンドイッチを買って風景を眺めながら食べていたため、お店には寄っていない。
船の便数は多いが、客数も多いので購入するのも乗船するのも割と並ぶ。混雑っぷりは写真からお察しな具合。
11:00に出港して帰投まで約50分。
雨降り寸前なため、晴れていたら島々が綺麗なんだろうなぁとがっくりする感じだったが、それでも沢山の島に囲まれた珍しい眺めを楽しめた。
11:45頃に船を降りた後は、セイルタワーへ向かうバスまで50分も待つ罠にハマった。
複数人で来ていれば移動にタクシーを使いたいところだが、一人だったため昼食を食べながら辺りを練り歩いて時間を潰した。
ここも人懐こい猫がちらほら居て猫好きにはたまらない。
海上自衛隊佐世保史料館 (セイルタワー)
佐世保駅前行きのバスに乗ってセイルタワーへ。
- 佐世保史料館(セイルタワー)
- 佐世保地方隊にある公式ページ。館内撮影禁止のためか、模型の説明などがあって情報量が多い。
- 海上自衛隊佐世保史料館 - Wikipedia:
- Wikipediaの情報。
最寄りの「元町」バス停を降りて歩いて数分。
建物内は撮影禁止のため、頭に残った感想を羅列しておこうかなと。
何かと大和ミュージアムと比較してしまったが、生い立ちや当時の資料をはじめ、何よりも海上自衛隊時代まで網羅されていて覚えきれない情報量だった。
- 第二次世界大戦の主要な海戦をジオラマと映像・解説付きで知る事が出来てとてもボリュームがある。しかも空いてたから一人で独占。
- 軍艦や艦載機の模型が多くあって見応えがある (呉の大和ミュージアムとラインナップが違うのも良いですね)
- 見落としそうな小さい展示物に艦これ提督的に面白い話がある (ex.単縦陣が主流になった経緯など)
- 護衛艦の話も広く触れられる (戦後の護衛艦の情報や装備の展示、シミュレーターがある)
- 土曜日でも空いておりマイペースに回れる。が、数十人規模のグループとバッティングすると急に回りづらくなるので距離を保つのも重要
- 自衛隊OBのグループが通りがかった時は会話内容が濃くてついていきたかった
- くまなく見て回るなら2時間は確保したい
最後にお土産コーナーを回って、滞在時間は2時間ほど。
お土産コーナーで艦これ提督仲間の嫁艦と同名護衛艦のストラップを買って帰ったら割と好評だった。
させぼ四ヶ町商店街
15:00前にセイルタワーを出たら外は雨。
バスに乗って雨をしのげる四ヶ町(よんかちょう)商店街へ向かった。
- させぼ四ヶ町のホームページへようこそ!:
- 公式ページ。
- 四ヶ町商店街 - Wikipedia:
- Wikipediaの情報。
気になったお店があったらふらふら入るスタイルで練り歩いた。
個人経営とおぼしき店が結構あって見応えはあり、雑然とした雰囲気がきちんと商店街をしている商店街という印象を持てた。居るだけでそれなりに楽しい。逆に、例えば仙台駅前の商店街のようにチェーン店で綺麗に整備された商店街は雑さがなくなるので、商店街よりも観光地のように感じる。
ひとしきり歩いて、帰り用の特急券と晩ご飯のために17:00頃佐世保駅へ戻った。
四ヶ町商店街と佐世保駅周辺で購入したお土産と、朝駅のコインロッカーへ預けた干物などのお土産をまとめてヤマト運輸のカウンターから東京へ送った。
土曜日発送で月曜日着なので中々な迅速さだ。
一通り予定が終わって次は晩ご飯を食べに行くことにした。
海軍さんのビーフシチュー (晩飯)
佐世保駅前の海軍ビーフシチューを提供しているお店へ行った。
- 十八番|海軍さんのビーフシチューが食べられる佐世保市グルメマップ|ながさき県北ぐるめ旅
- 今回行ったお店
- 歴史上のあの人が作った、食べた!|ザ・長崎発祥グルメ!|長崎観光/旅行ポータルサイト■ながさき旅ネット:
- ビーフシチューが話題になる経緯とか。ちなみに肉じゃがにも通じる料理だったらしい
佐世保駅に隣接しているものの、若干迷った。
佐世保駅東口を出て右へ直進すると看板が見えてくる。
煮込まれて柔らかいお肉と、濃すぎない味付けのビーフシチューがとても美味しい。
生まれて初めてビーフシチューを白米で食べたので相性の良さが印象深い。
この後、ご飯を食べたら佐世保駅の岸壁を散歩して満足してしまい、宿へ帰って早めに寝てしまった。
10月8日(日)
佐世保駅前へ
最終日は6:30起床。
10:43発の電車で佐世保を離れるため、あまり時間が無い。身支度を調えたら佐世保駅へ向かい、持ち歩き不要の手荷物を一旦駅のコインロッカーへ預けた。
昨晩何もなかった駅裏の岸壁には海上保安庁の巡視船が停泊していた。
ここから艦艇一般公開が行われる倉島岸壁へ向かう。
艦艇一般公開
09:00に合わせて、ある意味一番のメインディッシュでる艦艇一般公開を見学するために基地業務隊へ。
私的なポイント
- 徐々に混雑してくるため朝一番が良い。上手くいけばマンツーマンで案内してもらえるかも
11月当時は事前予約必須だったが、2015年12月頃から予約不要になった模様。入場する条件がだいぶ厳しいため、当日拒否されないようきちんと確認しよう。
写真奥の入口で予約の照合をし、問題がなければ入場証と基地内で利用できる設備を記した紙をもらえる。
意外と人がいないので好き勝手歩き回れそうな雰囲気を醸し出しているが、当然ながら立入禁止場所の方が広い。
入口を直進して突き当たりの岸壁を左へ進んでいくと、掃海艇「やくしま」とご対面。
護衛艦に乗ったことのある身としては、むしろ掃海艇の方が新鮮だった。
どうせ混むから早めに行こうと思って9時ちょうどに入ったら、むしろ早すぎて見学者が誰もいない。
「やくしま」に乗って挨拶をしたら、最初から最後まで自衛官2名にじっくり案内されるVIP待遇を受けてしまった。
ちょうど入れ違いで入ってきた団体客はさくさく案内されていた…。
お一人様はこういうところではハブられやすいので、早めに行く方が良さそうだ。
個人的な興味として、こういうところで使われるディスプレイにも民生用の液晶テレビが使われており、そこでコストを削るのはマズくないかと思ったりした。
艦上を自由に歩けるわけではないので、進むペースは殆ど隊員の裁量次第という印象だった。
そういう意味では、移動できる場所がきちんと制限されていたとはいえ、艦上・艦内を自由に歩き回れる観艦式はイレギュラーなのだと思い知らされた。
参考:平成27年度自衛隊観艦式で護衛艦「きりさめ」の体験航海に参加した記録
ちなみに、乗艦時に隊員から「やくしま」の資料をもらえる。
約35分程の見学を終えて、折角なので歩ける範囲を歩いてみた。
「やくしま」へ行くために左へ曲がった岸壁を右へ曲がると、停泊中の護衛艦などを眺められる。隊員達が業務に勤しんでいた。
一通り満喫したのち、岸壁からは少し高台にある佐世保倉島庁舎の売店へ立ち寄った。
アクセサリー類に食べ物など、海上自衛隊に関連したものが一通り並べてあり、第二次世界大戦中に活躍した軍艦のグッズも少しだけあった。
お土産用のレトルトカレーや下敷きを買いそろえて持って帰った。
ちなみに売店からヤマトの宅配便で発送もできる。
買い物を終える頃には帰りの電車の出発時刻が迫っていたため、惜しいながらも基地を後にした。
帰路 (佐世保駅→自宅)
特急電車の時間近づいてきたため、名残惜しいものの10:10頃基地を後に した。最後は駅前で佐世保バーガーを購入。
- 佐世保バーガー LOGKIT - 佐世保駅店:
- 公式サイト
駅東口を出てすぐ右に行くとある。
オーダーしてから作っているため、5分くらい待つ。当時は常時2,3人が並んでいるような状態だったため、発車時刻ギリギリで行くのは避けた方が良さそうだ。
帰りは特急の方が早く佐賀駅につくため、特急を選択した。
パンズ、卵、ベーコン、パティ、レタス、トマト、チーズ、そして甘めの味付け。甘みがあるためかデカさの割にはサクサク食べられた。何よりもパンズが柔らかく甘みがあってとても美味しい。電車の中でゆっくりゆったり食べるにはお勧め。
その後、佐賀空港を経由して成田空港へ戻り帰路についた。
感想とやり残し
感想
どうしても呉との比較になってしまうが、直観で覚えた感想は下記の通り。
- 観光気分を味わうなら観光施設と移動手段が整備された呉、基地と米軍のある地味めな港町を味わうなら佐世保
- 移動が苦な人は海軍関連の観光地が密集した呉、移動が好きなら佐世保もお勧め
- 観光地の混雑具合は呉>佐世保
- 艦これという視点で観光するなら呉の方が短時間で密度の高い体験ができる
私的に佐世保は基地のある町というよりも地味な港町という風貌が色濃く写った。
それは呉と比べて観光に対する温度感の差はもちろんのこと、自衛隊や海軍に関連する観光地が密集していなかったり、観光用の移動手段が乏しいだとか、護衛艦を見て回るクルージングなどが未整備だからだといった複合的な事情が絡んでいる。
逆に言えば、港町を楽しみつつゆっくり自衛隊や海軍の施設を見て回るにはとても良い町だった。
やり残し
今回回れなかった場所。